私の母は料理が好きで、私の家族は食べることが大好きでした。
母の料理はなんでもおいしく、
まずい、というのはちょっとくさった、とか(方言でアメてる、といいました)、
焦げてる、とか、しょっぱすぎる、とか
そういうことだと思っていました。
小学生になって給食の酢豚を食べたとき、鳥肌が立つほど気持ち悪い味で戻してしまい、給食を食べられないことも初めてで、しばらく衝撃でした。
まずいというのはああいうことをいうのか、と後から思いました。

ラタトゥイユ
だれが作ってもおいしいはずです。

鍋にオリーブオイルとつぶしたにんにく、たてに切った玉ねぎを入れて火にかける。玉ねぎがしなっとしてきたら塩をひとつまみ入れる。
気分にまかせて切ったナス、ズッキーニ、ピーマン、しし唐、いんげん、ばか胡瓜(大きくなりすぎてしまったやつ)など、入れては炒めて、を繰り返す。ときどき塩をふる。
焦げそうなところめがけてトマト投入。ささっと炒めて塩をふり、ふたをして弱火にして煮込む。ローリエやタイム、バジルの茎なんかを入れても。塩胡椒で味を決める。

コツ:

音を聞きながらつくります。
最初はじゅ! 油を多めに使って、野菜を鍋の横によせて 新しい野菜を真ん中でじゅ!っとさせます。できるだけ混ぜません。鍋にまかせます。
じゅ!のつぎはくつくつ。ふたのぴっちりしまる鍋で、湯気で煮込む感じ。
野菜の切り方をそろえると、ごった煮度が減ります。
野菜はなんでもいいけれど、にんじんを入れると火の通り加減が変わるので入れるときはにんじん中心で作ります。
出盛りの夏野菜をたくさん使って多めにつくる、温め直すほどにおいしくなります。カレーにしたり、ちょっとだけソース風に使うのもおいしい。

でもでも何よりもコツは

生のトマトを使うこと!

つぶれそうなトマトがたくさん手に入ったらさあどうぞ。