鹿よけの柵を田畑のまわりに巡らせる。
余計な作業。他のことがしたい。
支柱を立て、金網をくくりつけ、最後にネットを張る。
コツコツ。
やり終えた後に、これは「余計な作業」なんかじゃぜんぜんないことに気づく。
僕らはこの場所を使わせてもらっている。
借地権とかそういうのではなく、自然の中の一部を借りてる。
すぐ隣は山だし、谷の水も流れてる。鹿もイノシシも来る。
ここで野菜や米を作っているんだ。場所を借りて作らせてもらってるんだ。
だから鹿たちよ、来ないでね。
防獣網はその意思表示。